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2026/10/14 | 外国人雇用状況の届出と在留カード確認|期限と罰則

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外国人社員の社会保険と年金|加入義務と脱退一時金

定着一次情報 19本
公開 2026/10/14最終確認 2026/10/14執筆 編集部
脱退一時金の上限(現在)60月(5年)
脱退一時金の請求期限2年以内
短時間労働者の週所定労働時間20時間以上
社会保障協定の発効国(2026年6月2日現在)24か国
分類受け入れ後・定着
所管厚労省
最終確認日2026/10/14
出典19本

この記事の要約

外国人社員も健康保険・厚生年金に日本人と同じ基準で加入します。採用・退職時の手続、社会保障協定で日本の加入が免除される場合、脱退一時金の要件・上限月数・請求期限と改正の時期を、日本年金機構と厚生労働省の資料で整理します。

本文

外国人社員の健康保険・厚生年金保険は、日本人と同じ基準で加入します。日本年金機構は、適用事業所に常時使用される人は「国籍や性別、賃金の額等に関係なく」被保険者になると説明しています。帰国を予定している人も例外ではなく、その代わりに帰国後に請求できる「脱退一時金」という制度があります。この記事では、採用から退職・帰国までに会社が関わる社会保険・年金の手続と、社会保障協定、脱退一時金の要件・上限月数・請求期限、さらに未施行の見直し(再入国許可の扱いは法律で成立済み、上限の8年への引上げは政令で措置予定)を、日本年金機構・厚生労働省の公表資料とe-Gov法令検索の条文で整理します(2026年10月14日確認)。

当サイトは社会保険労務士事務所や人材サービスに属さない解説メディアです。特定の人が加入対象になるかどうか、脱退一時金を請求すべきかどうかの個別判断や、請求の代行は行いません。個別の確認は管轄の年金事務所や、加入している健康保険の保険者に問い合わせてください。

SAME RULES01加入するかどうかは国籍で変わらない

厚生年金保険の適用事業所は、株式会社などの法人の事業所と、法律で定める事業(厚生年金保険法第6条第1項第1号に掲げる事業)を行い常時5人以上の従業員を使用する個人の事業所です。そこに常時使用される人は、国籍や年金の受給の有無にかかわらず厚生年金保険の被保険者になり、健康保険にも加入します(原則として70歳以上の人は健康保険のみ)。「常時使用される」とは、雇用契約書の有無とは関係なく、事業所で働いて労務の対価として賃金を受ける使用関係が常用的であることをいいます。

厚生労働省の事業主向けリーフレットも、労働保険・社会保険は国籍にかかわらず適用され、労働条件面での国籍による差別も禁止されていると明記しています。外国人労働者の雇用管理に関する指針は、事業主に対し、社会保険関係法令を守り、被保険者に当たる外国人労働者の適用手続をとるよう求めています。

PART-TIME02パート・アルバイトの外国人の場合

パートやアルバイトでも、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上であれば被保険者です。4分の3未満の人は、次の条件を満たすと「短時間労働者」として加入します(日本年金機構のページ、2026年10月1日更新時点の記載)。

  • 勤務先が特定適用事業所(厚生年金保険の被保険者数が51人以上と見込まれる企業等)、任意特定適用事業所、または国・地方公共団体に属する事業所であること。令和9年10月からは、被保険者数36人以上の企業等で働く短時間労働者も加入対象になります。
  • 週の所定労働時間が20時間以上であること。
  • 学生ではないこと。
  • 2か月以内の期間を定めて使用される人や、臨時に使用される人などは加入対象から除かれます。
  • 最低賃金の減額の特例許可を受けている所定内賃金が月額8.8万円未満の人(特定減額特例対象者)は、原則として加入対象ではありません(事業主を経由した申出による任意加入の制度があります)。

健康保険・厚生年金保険に入らない人で、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人は、国籍にかかわらず国民年金の第1号または第3号被保険者になります(在留資格「特定活動」の医療滞在や観光等のロングステイで滞在する人は適用除外)。厚生労働省の指針は、健康保険・厚生年金保険が適用されない事業所では、外国人労働者とその家族が国民健康保険・国民年金の手続を適切に行えるよう、必要な援助に努めるよう求めています。

PROCEDURES03採用・在職中・退職時に会社がすること

  • 採用時:事業主が「被保険者資格取得届」を日本年金機構へ提出します。マイナンバーを持たない短期在留の外国人は、旅券の身分事項のページの写しと、資格外活動許可の証印のページ・資格外活動許可書・就労資格証明書のいずれかの写しで本人確認をします。初めて公的年金制度に加入した人には基礎年金番号通知書が交付されます。
  • ローマ字氏名届:入国後初めて年金制度に加入して厚生年金保険の資格を取得する人(マイナンバーはあるが基礎年金番号がない人)は、資格取得届に加えて「厚生年金保険被保険者 ローマ字氏名届」を出します。2026年10月1日から、日本国籍を持たない人の資格取得届でフリガナ氏名だけが住民基本台帳と一致しない場合の扱いが変わり、転職などで資格を再取得する人には、在留カードやパスポートのコピーなどローマ字氏名を確認できる書類の提出が依頼される場合があります。
  • 家族を扶養に入れるとき:事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を提出します。被扶養者になるには、日本国内に住所(住民票)があり、主として被保険者の収入で生計を維持されていることなどが条件です。日本に住所があっても、在留資格「特定活動」の医療目的・長期観光で滞在する人は被扶養者になりません。
  • 在職中:算定基礎届、月額変更届、賞与支払届なども日本人の従業員と同様に必要です。
  • 退職時:事業主が「被保険者資格喪失届」を提出します。厚生労働省の指針は、書面の健康保険資格確認書を交付している場合は回収し、国民健康保険・国民年金の手続が必要になる場合はその旨を伝えるよう努めること、公的年金に一定期間以上加入した人が帰国する場合は、帰国後に脱退一時金を請求できることを帰国前に説明し、年金事務所などの窓口を伝えるよう努めることを求めています。

転職の合間など厚生年金保険に入っていない期間は、本人が国民年金の手続と保険料の納付(または免除申請)をする必要があります。日本年金機構の資料は、保険料の未納期間があると在留資格の更新などに影響が出る可能性があると注意しています。日本年金機構からの通知が届いていたら年金事務所へ相談するよう、本人に伝えておきます。

AGREEMENTS04社会保障協定で日本の加入が免除される場合

社会保障協定は、保険料の二重負担を防ぐための「二重加入の防止」と、年金を受け取るのに必要な加入期間を満たしやすくする「年金加入期間の通算」を目的に、日本と相手国が結ぶ協定です。厚生労働省の資料によると、2026年6月2日現在、発効済みの相手国は24か国です。

発効済みの24か国ドイツ、英国、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国、フィンランド、スウェーデン、イタリア、オーストリア
期間通算がない協定英国、韓国、中国、イタリアとの協定は「保険料の二重負担防止」のみです
署名済み・交渉中(2026年6月2日現在)署名済みはポーランド(2026年4月署名)。政府間交渉中はトルコ、ノルウェー、ベトナム
対象となる制度協定によって異なります。年金制度だけが対象の国もあれば、医療保険制度も対象の国(アメリカ、ベルギー、フランス、オランダなど)もあります

日本で働く外国人について、協定が意味を持つのは主に「派遣」の場合です。協定相手国の事業主から5年を超えない見込みで日本に派遣される人は、引き続き相手国の制度だけに加入し、協定の対象となる日本の制度への加入が免除されます(対象となる制度は協定相手国により異なります)。このとき本人は原則として派遣前に相手国の機関から「適用証明書」の交付を受け、日本では、その写しを添えて「厚生年金保険・国民年金 条約等適用者に関する届書」を年金事務所に提出します。一方、日本の会社に現地採用された人や、5年を超える見込みで派遣される人は日本の制度に加入します。つまり、日本の会社が直接雇用する外国人社員は、出身国と協定があっても、原則として日本の健康保険・厚生年金保険に入ることになります。

LUMP-SUM05脱退一時金を請求できる人

脱退一時金は、日本国籍を持たない人が公的年金の被保険者資格を失って日本を出国した場合に、加入期間に応じて受け取れる一時金です。厚生年金保険の脱退一時金は、次のすべてを満たす人が請求できます。

  • 日本国籍を有していない
  • 公的年金制度(厚生年金保険または国民年金)の被保険者でない
  • 厚生年金保険(共済組合等を含む)の加入期間の合計が6月以上ある
  • 老齢年金の受給資格期間(10年間)を満たしていない
  • 障害厚生年金(障害手当金を含む)などの年金を受ける権利を有したことがない
  • 日本国内に住所を有していない
  • 最後に公的年金制度の被保険者資格を喪失した日から2年以上経過していない(資格喪失日に日本国内に住所があった場合は、その後初めて日本国内に住所を有しなくなった日から2年以上経過していない)

国民年金の脱退一時金も同様の要件で、国民年金第1号被保険者としての保険料納付済期間等の月数が6月以上必要です。未納の期間は数えません。国民年金と厚生年金保険の期間は合算されないため、たとえば国民年金の納付済期間が4月、厚生年金保険の期間が4月だけという人は、合計8月でも請求できません。

AMOUNT06支給額と上限月数:現在は60月(5年)

支給額の計算に使う月数の上限は、2021年(令和3年)4月に36月(3年)から60月(5年)に引き上げられました。特定技能1号の創設で、期限付きの在留期間の最長が5年になったことなどを踏まえた見直しです。2021年4月以降に加入期間がある人が対象で、それより前に加入期間が終わっている人は36月が上限です。

厚生年金保険の計算式被保険者であった期間の平均標準報酬額×支給率。支給率は、最終月の属する年の前年10月の保険料率(最終月が1〜8月なら前々年10月の保険料率)に2分の1を掛け、加入期間の区分に応じた数を掛けたもの
厚生年金保険の支給率(最終月が2021年4月以降)6月以上12月未満は0.5、12月以上18月未満は1.1、18月以上24月未満は1.6、24月以上30月未満は2.2、30月以上36月未満は2.7、36月以上42月未満は3.3、42月以上48月未満は3.8、48月以上54月未満は4.4、54月以上60月未満は4.9、60月以上は5.5
国民年金の計算式最後に保険料を納付した月が属する年度の保険料額×2分の1×支給額計算に用いる数(6〜60)
国民年金の支給額(最後の納付月が2026年4月〜2027年3月の場合)6月以上12月未満は53,760円、12月以上18月未満は107,520円、18月以上24月未満は161,280円、24月以上30月未満は215,040円、30月以上36月未満は268,800円、36月以上42月未満は322,560円、42月以上48月未満は376,320円、48月以上54月未満は430,080円、54月以上60月未満は483,840円、60月以上は537,600円(令和8年度の額)

上限を超えて加入していた人が請求すると、支給額は上限の月数で計算されますが、請求以前のすべての加入期間が年金加入期間でなくなります。日本年金機構は、在留を繰り返して通算の加入期間が上限以上になる見込みの人が、加入期間に応じた脱退一時金を受けたい場合、出国のたびに請求が必要になる場合があると説明しています。

HOW TO CLAIM07請求の手続と期限、受け取る前の注意

請求は本人(または委任を受けた代理人)が、日本の住所をなくして出国した後2年以内に行います。請求書は外国語と日本語が併記された様式で、英語、中国語、ベトナム語、ネパール語など14言語に対応しています。提出先は日本年金機構本部(共済組合等の加入期間がある場合は扱いが異なります)で、郵送または電子申請で提出します。添付書類は、旅券の写し、日本国内に住所がないことを確認できる書類(市区町村に転出届を出していれば原則不要)、受取口座を確認できる書類、基礎年金番号を明らかにできる書類などです。ゆうちょ銀行と一部のインターネット専業銀行では受け取れません。

  • 受け取ると加入期間が消える:脱退一時金を受けると、請求以前のすべての期間が年金加入期間ではなくなります。将来日本の老齢年金を受け取る可能性を考えて慎重に判断するよう、日本年金機構は呼びかけています。老齢年金の受給資格期間(10年)を満たしている人は、将来日本の老齢年金を受け取れるため、脱退一時金は請求できません。
  • 協定国の期間通算:期間通算の規定がある協定の相手国の年金加入期間がある人は、一定の要件のもとで期間を通算し、日本と相手国の年金を受け取れる場合があります。
  • 住所が日本にある間は請求できない:日本年金機構が請求書を受理した日に住所がまだ日本にあると請求できません。出国前に日本から送る場合は、転出(予定)日以降に届くように送ります。
  • 再入国許可で出国する場合(現行):転出届を出したうえで再入国許可・みなし再入国許可を受けて出国した場合は請求できます。転出届を出さずに再入国許可・みなし再入国許可で出国した場合は、再入国許可の有効期間が過ぎるまで国民年金の被保険者とされるため、請求できません。

REFORM08未施行の見直し:再入国許可の有効期間内は請求不可、上限は8年へ(政令で措置予定)

2025年6月20日に公布された「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(令和7年法律第74号)では、再入国の許可を受けて出国した外国人について、当該許可の有効期間内は脱退一時金を請求できないこととされました。あわせて厚生労働省は、支給上限を現行の5年から8年に引き上げる見直しを「政令で措置予定」としています。

支給要件の見直し再入国許可付きで出国した外国人には、その許可の有効期間内は脱退一時金を支給しない。再入国しないまま許可の期限を過ぎた場合は受給できる。滞在途中の一時帰国で脱退一時金を受けて、それまでの加入期間がなくなるのを防ぐ狙いと説明されています
支給上限の引上げ支給上限を現行の5年から8年に引き上げる(政令で措置予定)。育成就労(3年)を経て特定技能1号(5年)に移り、計8年滞在する人が増えると見込まれることが背景に挙げられています
施行時期再入国許可に関する見直しは「公布から4年以内の政令で定める日」から施行。支給上限の引上げは「政令で措置予定」とされ、厚生労働省の広報資料は脱退一時金制度の見直しを「公布から4年以内の政令で定める日~」としています。2026年10月14日時点で、施行日を定めた政令は確認できませんでした

e-Gov法令検索には、改正後の国民年金法附則第9条の3の2が未施行の版として掲載されています。現行の「日本国内に住所を有するとき」は請求できないという規定が「日本国内に滞在するとき」に改められ、入管法による再入国の許可(みなし再入国許可などを含む)を受けているときも請求できない場合として加わる内容です。施行されるまでは、上で説明した現行の要件と60月の上限が適用されます。帰国予定の社員に案内するときは、案内する時点で日本年金機構の最新のページを確認してください。

外国人を雇い入れたときのハローワークへの届出は外国人雇用状況の届出と在留カード確認、特定技能の受入れ機関に求められる社会保険の法令遵守などの基準は特定技能 受入れ機関の基準チェックリスト、専門職の在留資格で雇える仕事の範囲は技人国で雇える仕事・雇えない仕事で解説しています。

Q. 数年で帰国する予定の外国人社員も、厚生年金に加入させる必要がありますか?
A. 必要です。適用事業所に常時使用される人は、国籍や賃金の額などに関係なく被保険者になります。帰国後は、要件を満たせば脱退一時金を請求できます。
Q. 社会保障協定のある国の出身者なら、日本の年金に入らなくてよいのですか?
A. 日本の加入が免除されるのは、協定相手国の事業主から5年を超えない見込みで日本に派遣され、相手国の適用証明書の交付を受けた場合などです。日本の会社に現地採用された人は、出身国と協定があっても日本の制度に加入します。
Q. 脱退一時金はいつまでに請求すればよいですか?
A. 日本の住所をなくして出国した後、2年以内です。正確には、最後に被保険者資格を失った日(その日に日本に住所があった場合は、その後初めて日本に住所がなくなった日)から2年を経過すると請求できなくなります。
Q. 脱退一時金は何年分まで受け取れますか?
A. 現在は、2021年4月以降に加入期間がある人について60月(5年)分が上限です。厚生労働省は上限を8年に引き上げる見直しを「政令で措置予定」としており、同省の広報資料は脱退一時金制度の見直しを「公布から4年以内の政令で定める日~」としています。2026年10月14日時点で、施行日を定めた政令は確認できませんでした。
Q. 海外に住む家族を健康保険の扶養に入れられますか?
A. 被扶養者の認定には、原則として日本国内に住所(住民票)があることが必要です。海外に住む家族は、外国に留学する学生や海外赴任に同行する家族など、日本国内に生活の基礎があると認められる例外に当たる場合に限って認定されることがあります。

出典

確認状況

最終確認日

2026/10/14

執筆

編集部

注意

制度・数字は改正等で変わります。最新の内容はリンク先の公式ページでご確認ください。

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