外国人雇用状況の届出と在留カード確認|期限と罰則
| 届出を怠った場合 | 30万円以下の罰金 |
|---|---|
| 様式第3号の期限 | 翌月の末日 |
| 資格取得届の期限 | 翌月10日 |
| 所属機関変更の本人届出 | 14日以内 |
| 分類 | 採用の実務 |
| 所管 | 厚労省・入管庁 |
| 最終確認日 | 2026/10/14 |
| 出典 | 12本 |
この記事の要約
外国人を雇ったら、在留資格にかかわらずハローワークへの届出が要ります。対象者、様式と期限、記入事項、在留カードで就労可否を確かめる順番、怠ったときの罰則までを厚生労働省と出入国在留管理庁の資料で整理します。
本文
外国人を雇い入れたとき、そして離職したときは、事業主がハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を出します。労働施策総合推進法第28条に基づく義務で、届出を怠ったり虚偽の届出をしたりすると30万円以下の罰金の対象です。特定技能や技人国に限らず、留学生のアルバイトも、日本人と結婚している人も対象になります。届出の前提として在留カードで在留資格や就労の可否を確かめることになるため、この記事では届出と在留カード確認を一続きの手順として説明します(2026年10月14日確認)。
WHO01届出の対象になる人、ならない人
対象は日本の国籍を持たない人のうち、特別永住者と在留資格「外交」「公用」の人を除くすべてです。厚生労働省のQ&Aでは、次のように整理されています。
| 対象になる | 特定技能、技術・人文知識・国際業務、技能、企業内転勤などの就労資格の人。資格外活動許可を受けてアルバイトをする留学生・家族滞在の人。永住者、日本人の配偶者等、定住者など身分に基づく在留資格の人。派遣労働者(登録型派遣は派遣先が決まり雇用関係が生じるたび) |
|---|---|
| 対象にならない | 特別永住者、在留資格「外交」「公用」の人 |
| 雇用契約がなくても対象になり得る | 経営・管理、興行、教授などの在留資格で、雇用契約を結んでいなくても実態として労働者性があると認められる場合(代表取締役など労働者の地位にない一部の役員を除く) |
| 事業主が外国人の場合 | 事業主が特別永住者であっても、雇った外国人が対象者なら届出が必要です |
氏名や言葉から外国人だと判断できなかった場合は、確認・届出をしなかったことで法違反を問われることはないとされています(Q&A Q1)。逆に、外国人だと容易に判断できるのに届け出なかった場合は、指導・勧告と罰金の対象です(Q2)。
HOW AND WHEN02届出の方法と期限は、雇用保険に入るかどうかで分かれる
使う様式、届出先、期限は、その人が雇用保険の被保険者になるかどうかで変わります。被保険者になる人は、雇用保険の手続そのものが外国人雇用状況の届出を兼ねます。
| 雇用保険の被保険者になる人(雇入れ) | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)の外国人欄に国籍・地域や在留資格等を記入して提出。期限は雇い入れた日の翌月10日 |
|---|---|
| 雇用保険の被保険者になる人(離職) | 雇用保険被保険者資格喪失届(様式第4号)に同様に記入して提出。期限は離職した日の翌日から起算して10日以内 |
| 雇用保険の被保険者にならない人(雇入れ・離職) | 外国人雇用状況届出書(様式第3号)を提出。期限は雇入れ・離職ともに翌月の末日 |
| 届出先 | 被保険者になる人は雇用保険の適用事業所を管轄するハローワーク。様式第3号は、その人が勤務する事業所(支店・店舗・工場など)の住所を管轄するハローワーク。派遣労働者は派遣元の事業所を管轄するハローワーク |
| 電子届出 | 被保険者になる人はe-Gov、ならない人は「外国人雇用状況届出システム」から届け出られます。過去に一度でも外国人雇用状況の届出をしたことのある事業主が電子届出を使うには、「外国人雇用状況届出電子届出切替・変更申請書」の提出が必要です |
| 添付書類 | 在留カード等の写しをハローワークに出す必要はありません |
雇用保険の被保険者にならない短期のアルバイトが届出期限の前に辞めた場合は、雇入れと離職をまとめて1枚で届け出られます。同じ人を期限内に何度か雇い入れた場合も、それぞれの日付を書いてまとめられます(Q&A Q4・Q5)。様式第3号は1人につき1枚です。
WHAT TO FILL03届け出る事項と、在留カードのどこを見て書くか
届出事項は、在留カードを持っている人なら在留カードで確認して書きます。持っていない人は旅券、在留資格証明書、資格外活動許可書などで確認します。厚生労働省のチェックリストと様式第3号の注意書きに沿うと、次のとおりです。
- 氏名:ローマ字で、在留カードどおりの本名を書きます。日常で使っている通称名は使いません。
- 在留資格:在留カードの在留資格欄(または旅券の上陸許可証印)のとおりに書きます。現行様式では、特定技能は「特定技能1号(外食業)」のように分野を、特定活動は「特定活動(ワーキングホリデー)」のように活動類型を、旅券に添付された指定書で確認して括弧書きで添えます。
- 在留期間:在留カードの在留期間(満了日)のとおり。
- 生年月日・性別・国籍・地域:在留カードまたは旅券から転記します。
- 資格外活動許可の有無:留学生など許可を受けるべき人について、雇入れ時に記入します。在留カード裏面の資格外活動許可欄や資格外活動許可書で、許可の有無と範囲を確かめます。
- 在留カード番号:英字2桁+数字8桁+英字2桁の12桁。令和2年3月1日以降の雇入れ・離職の届出から記載が必要になっています。
- 雇入れ・離職の年月日、事業所の名称・所在地等:派遣の場合は派遣先ではなく派遣元の事業所を書き、チェック欄に印を付けます。
在留カードは令和8年6月14日交付分から券面のデザインが変わり、確認する項目の位置も変わっています。同じ日から在留カードとマイナンバーカードを一体にした「特定在留カード」の運用も始まりました。特定在留カードでも届出事項は確認できますが、記載位置が通常の在留カードと違うと厚生労働省のリーフレットは注意しています。新様式の在留カードには「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が記載されませんが、在留期間の満了日は記載されます。読取アプリは令和8年8月19日に公開された版から「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」を表示できるようになったため、最新版に更新して使います。
CHECK THE CARD04在留カードで「働けるか」を確かめる順番
届出のためだけでなく、そもそもその仕事に就いてもらってよいかを確かめるのが在留カード確認の本来の目的です。出入国在留管理庁のリーフレットが示す見方を、確認する順に並べます。厚生労働省は、採用選考の段階で応募者に在留カードを提示させると採否に偏見が入り込むおそれがあるとして、選考時は口頭または書面で確認し、採用内定後に在留カードで就労できることを確認するよう求めています。
- 表面の「就労制限の有無」欄:「就労制限なし」なら業務内容に制限はありません。「在留資格に基づく就労活動のみ可」なら、その在留資格で認められた範囲の仕事だけです。在留資格が特定技能の場合は、指定書で分野も確かめます。「指定書により指定された就労活動のみ可」(特定活動)は、指定書の内容を確認します。
- 「就労不可」とある場合は裏面の資格外活動許可欄:「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」などの記載があれば、その範囲で働けます。アルバイト先が複数あるときは合計で週28時間以内でなければなりません。
- 在留期間(満了日):期限が切れていないかを確かめます。
- 偽造・変造の確認:出入国在留管理庁の無料の「在留カード等読取アプリケーション」でICチップの情報を読み取り、券面と見比べます。ICチップが読めない場合は画像での確認はできません。
- 番号の失効照会:「在留カード等番号失効情報照会」で番号が失効していないかを確認できます。ただし照会結果はカードの有効性を証明するものではなく、実在する番号を悪用した偽造カードもあるとされています。
在留カードを持っていなくても働ける場合もあります。旅券に後日在留カードを交付する旨の記載がある人、在留期間が「3月」以下の人、「外交」「公用」などの人で、これらは旅券等で就労できるかを確認します。読み取った情報が券面と違う、読み取れない、番号が失効しているなど偽変造が疑われる場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署に相談するよう案内されています。また、厚生労働省の指針は、事業主が外国人労働者の旅券や在留カードを保管しないよう求めています。確認したら本人に返します。
PENALTIES05確認や届出を怠ったときの罰則
| 届出をしない・虚偽の届出 | 30万円以下の罰金の対象(厚生労働省)。指導・勧告の対象にもなります |
|---|---|
| 不法就労させた・あっせんした(不法就労助長罪) | 入管法第73条の2。2026年10月14日にe-Gov法令検索で確認した現行規定は「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」。法人にも罰金刑を科す規定があります |
| 令和9年4月1日からの規定 | 育成就労制度を創設した改正法(令和6年法律第60号)による改正後の規定として、e-Gov法令検索に「五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金」(併科あり)が未施行の版で掲載されています |
| 外国人の事業主の場合 | 不法就労させたり、あっせんしたりした外国人事業主は退去強制の対象になります |
不法就労助長罪で大事なのは、「知らなかった」では処罰を免れない点です。条文は、外国人の活動が在留資格の範囲外であることや資格外活動許可を受けていないことを知らなかったとしても処罰を免れないと定め、過失がないときだけを除いています。出入国在留管理庁のリーフレットは、在留カードを確認していない等の過失がある場合には処罰を免れないと説明しています。不法就労になるのは、在留期限切れなどの不法滞在者が働く場合、就労できない在留資格の人が許可なく働く場合、在留資格で認められた範囲を超えて働く場合(例:留学生が週28時間を超えて働く)の3つです。
OTHER FILINGS06ハローワークへの届出とは別に必要な届出
- 本人が出入国在留管理庁に出す届出:就労資格や留学などで在留する中長期在留者は、勤務先との契約の終了や新たな契約の締結など所属機関に変更があったとき、14日以内に本人が出入国在留管理庁へ届け出る義務があります(入管法第19条の16)。入社・退社の際に本人へ案内するよう、出入国在留管理庁は事業主に求めています。
- 所属機関による届出:中長期在留者を受け入れている機関が出入国在留管理庁へ受入れの開始・終了を届け出る努力義務(入管法第19条の17)がありますが、ハローワークへの外国人雇用状況の届出をしなければならない事業主と特定技能所属機関はこの規定の対象から除かれています。
- 特定技能の受入れ機関:特定技能雇用契約の変更・終了、支援計画の変更などがあると、出入国在留管理庁への届出(入管法第19条の18第1項)が別に必要です。これとは別に、受け入れている特定技能外国人の氏名や活動の内容などを届け出る義務(同条第2項)もあります。受入れ機関の義務の全体は特定技能 受入れ機関の基準チェックリスト、手続の流れは特定技能の受け入れの流れで解説しています。
出典
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」
- 厚生労働省「外国人雇用はルールを守って適正に」(令和8年6月版)
- 厚生労働省「外国人雇用状況届出Q&A」
- 出入国在留管理庁「外国人の適正な雇用にご協力ください」
- e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」
- 厚生労働省「適正な届出のためのチェックリスト」 ─ https://www.mhlw.go.jp/content/001696644.pdf
- 厚生労働省「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」現行様式 ─ https://www.mhlw.go.jp/content/001059771.pdf
- 厚生労働省「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」令和9年4月1日からの様式 ─ https://www.mhlw.go.jp/content/001721933.pdf
- 出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ」 ─ https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html
- 出入国在留管理庁「中長期在留者の届出(所属機関等に関する届出)」リーフレット ─ https://www.moj.go.jp/isa/content/001342898.pdf
- 出入国在留管理庁「在留カードとは?」(新様式の券面記載事項・読取アプリの表示項目) ─ https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html
- 厚生労働省「在留カード等 読取アプリケーションを積極的にご活用ください!」 ─ https://www.mhlw.go.jp/content/001572156.pdf
確認状況
2026/10/14
編集部
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