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育成就労の受入れ準備|施行日前申請・人数枠・転籍

育成就労一次情報 7本
公開 2026/10/14最終確認 2026/10/14執筆 編集部
本人意向転籍者の割合3分の1以内
受入れ開始令和9年4月1日
計画認定の施行日前申請令和8年9月1日
送出機関費用の上限2か月分
分類育成就労(旧技能実習)
所管入管庁
最終確認日2026/10/14
出典7本

この記事の要約

育成就労で外国人を受け入れる企業が施行前に何をするか。施行日前申請の時期、計画認定に要る書類、受入れ人数枠の表、転籍先・転籍元の費用補填ルールを、出入国在留管理庁と外国人技能実習機構の公表資料で整理します。

本文

育成就労制度は2027年(令和9年)4月1日に始まります。制度の目的や技能実習との違いは育成就労制度の解説で、施行日をまたぐ技能実習生の扱いは技能実習3号の経過措置と転籍でまとめました。この記事では、受け入れる企業の申請時期と申請先、受入れ人数枠、転籍時の初期費用の補填を扱います。いずれも出入国在留管理庁と外国人技能実習機構(以下、機構)の公表資料で確認した内容です(2026年10月14日確認)。

当サイトは監理団体・監理支援機関・人材紹介会社のいずれにも属さない解説メディアです。個別の受入れ可否や在留資格の判断、申請の代行は行いません。自社の分野の扱いは、分野所管省庁と機構の公表資料、または機構の窓口で確認してください。

PRE-APPLICATION01施行日前申請:何を、いつ、どこへ出すか

育成就労外国人を実際に受け入れられるのは令和9年4月1日からですが、申請はそれより前に始まっています。出入国在留管理庁によると、監理支援機関の許可の施行日前申請は令和8年4月15日から、育成就労計画の認定の施行日前申請は令和8年9月1日から、いずれも機構で受け付けています。

申請の時期原則として育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間に申請します。機構のリーフレットの例では、6月1日に開始する場合は前年の11月1日から1月1日の間です。
申請先育成就労を行わせようとする申請者の住所地(法人は本店)を担当する機構の地方事務所・支所
審査結果令和9年4月1日以降、順次郵送で通知されます
申請書の書き方省令様式は4種類あります。原則として、令和9年4月1日以降に育成就労を開始する時点の状況に基づいて作成します。合併・分割や法人化を予定している場合は、その手続を済ませてから申請するよう案内されています
監理型の場合の前提監理支援を行う法人が技能実習法の監理団体の許可を受けており、かつ監理支援機関の許可の施行日前申請をしている必要があります。申請時に監理支援機関許可申請の受理票の写しを出し、監理支援機関が許可されなければ育成就労計画も認定されません
送出機関監理型では機構の「暫定送出機関リスト」に載った機関を取次送出機関として申請できますが、認定の時点で「認定送出機関リスト」に載っていないと、送出機関の変更が必要になる場合があります

企業側の最初の作業は、付き合いのある監理団体が監理支援機関の許可を施行日前申請しているかを確かめることです。監理支援機関の許可基準は技能実習の監理団体より厳しくなっており、概略図では「債務超過がない」「監理支援を行う育成就労実施者の数が原則2者以上」「常勤役職員1人当たりの育成就労実施者の数が8者未満・育成就労外国人の数が40人未満」などが挙げられています。監理団体がそのまま監理支援機関に移れるわけではありません。

DOCUMENTS02計画認定で求められる、分野ごとの書類

育成就労計画は外国人ごとに作り、技能実習のように1号・2号・3号で段階ごとに認定を受けるのではなく、最初から3年間の計画で認定を受けます(育成就労制度Q&A Q29)。そのうえで、出入国在留管理庁は施行日前申請の留意事項として次の書類を挙げています。

  • 分野別協議会への加入を証明する書類:育成就労実施者は各分野の分野別協議会への加入が義務です。工業製品製造業分野だけは協議会ではなく、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会が必要とされています。
  • 分野ごとの告示で定める基準(上乗せ基準)への適合を証明する書類:内容と必要書類は、分野所管省庁と主務省庁が公表する分野別の運用要領で示されます。
  • 送出国の公的機関が作成した推薦状(対象者ごと):二国間取決めで推薦状を発行することになっている国から受け入れる場合です。2026年10月14日の確認時点で、対象国はインドネシア、カンボジア、キルギス、ベトナム、ラオスとされています。単独型や、取引上密接な関係を有する外国の機関の職員を受け入れる場合は除かれます。

注意したいのは、分野によって準備の進み具合が違うことです。2026年10月14日に出入国在留管理庁のページで確認した状況は次のとおりで、ここに挙がっていない分野は「準備中」とされていました。審査基準の公表前や、協議会の加入証明がないまま申請すると、追加提出まで審査が保留されると明記されています。

分野別運用要領が公表済みビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、自動車整備、鉄道、物流倉庫、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環
審査基準が公表済みビルクリーニング、リネンサプライ、自動車整備、鉄道、飲食料品製造業、物流倉庫、林業、木材産業、資源循環
協議会等の加入手続が開始済み介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業(JAIM)、造船・舶用工業、自動車整備、鉄道、飲食料品製造業、林業、木材産業

EMPLOYER REQUIREMENTS03受入れ企業(育成就労実施者)の要件

受入れ企業の要件は技能実習の実習実施者の要件を引き継ぎつつ、新しい項目が加わっています。概略図と育成就労制度Q&A(Q40・Q44)から、企業側で準備が必要なものを抜き出します。

育成就労責任者育成就労に関わる職員を監督できる立場の常勤職員で、過去3年以内に養成講習を修了した人
育成就労指導員育成就労を行わせる事業所の常勤職員で、従事させる業務の技能について5年以上の経験があり、過去3年以内に養成講習を修了した人
生活相談員同じく事業所の常勤職員で、過去3年以内に養成講習を修了した人。技能実習では指導員・生活指導員の講習受講は加点要素でしたが、育成就労では義務になりました(施行後当分の間は技能実習制度の養成講習で代替予定)
業務運営の基準(新設を含む)過去1年以内に、企業や監理支援機関の責めによる行方不明者を出していないこと。過去1年以内に、同種の業務の労働者を非自発的に離職させていないこと(定年や自発的離職等は除く)。労働・社会保険・租税の法令を守っていること。送出機関等から社会通念上相当な程度を超える利益や接待を受けていないこと。雇用契約の締結時に待遇の説明を直接またはオンラインで行うこと。分野別協議会に加入していること など
待遇の要件報酬が日本人が同じ業務に就く場合と同等以上であること。外国人であることを理由に差別的に扱わないこと。一時帰国の希望には必要な有給休暇を取らせること。適切な宿泊施設の確保、入国後講習に専念するための手当等の措置、監理支援費を本人に負担させないこと(監理型では監理支援機関が講じてもよい)。転籍制限期間が1年を超える分野では、昇給など分野別運用方針で定める待遇の向上を図ること

費用面で見落としやすいのが二つあります。一つは送出機関に払う費用の上限です。外国人が送出機関に支払う費用は就労開始時(1年目)の所定内賃金月額の2か月分までとされ、それを超える分は育成就労実施者または監理支援機関が負担します(Q&A Q74)。もう一つは日本語学習です。日本語講習の費用は育成就労実施者または監理支援機関が負担を含めて措置することとされ(Q66)、A2目標の講習を受ける機会の提供も義務です。ただし、その受講時間を労働時間として扱うことまでは義務づけられていません(Q69)。初期費用の考え方は特定技能の受け入れ費用の記事も参考になります。

QUOTA04受入れ人数枠:常勤職員数で上限が決まる

1社が受け入れられる人数には、常勤職員の数に応じた上限があります。技能実習と違って1号〜3号の区分がないため、1年目から3年目までの育成就労外国人の合計に対する上限です。同じ事業年度に上限まで一度に受け入れることもできます(Q&A Q41)。監理型の区分は次のとおりです(概略図8ページ)。

常勤職員301人以上一般:常勤職員総数の20分の3(15%)/優良:10分の3(30%)/地方の優良実施者で優良な監理支援機関の監理支援を受ける場合:20分の9(45%)
201人以上300人以下一般45人/優良90人/地方・優良の組合せ135人
101人以上200人以下一般30人/優良60人/同90人
51人以上100人以下一般18人/優良36人/同54人
41人以上50人以下一般15人/優良30人/同45人
31人以上40人以下一般12人/優良24人/同36人
9人以上30人以下一般9人/優良18人/同27人
8人一般9人/優良18人/同24人
7人一般9人/優良18人/同21人
6人一般9人/優良18人/同19人
5人一般9人/優良15人/同16人
4人一般9人/優良12人/同13人
常勤職員3人一般9人/優良10人/同11人
常勤職員2人一般6人/優良7人/同8人
常勤職員1人一般3人/優良4人/同5人
  • 常勤職員数には、育成就労外国人と技能実習生は含めません。特定技能など他の在留資格の外国人は含めます。
  • 施行後も技能実習を続ける1号・2号の技能実習生は、人数枠の計算では育成就労外国人として数えます。技能実習生を抱えたまま育成就労を始める企業は、その分だけ枠が埋まります。
  • 「地方」(指定区域)は、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県以外の道県と、この8都府県の過疎地域です。地方かどうかは、就労先ではなく育成就労実施者の本店所在地で判断されます(Q&A Q43)。
  • やむを得ない事情で転籍してきた人、3年を超えて延長している人、妊娠・出産等で中断していた人が再開する場合などは、人数枠に含めません。
  • 単独型の人数枠は別の定めです。原則は常勤職員総数の15%(一般。常勤職員20名以上が必要)または30%(優良。10名以上が必要)で、継続的かつ安定的に育成就労を実施できる体制がある場合は監理型と同じ枠が使えるとされています。
  • 「優良」の枠を使うには、育成就労計画の認定申請時に優良要件適合申告書(参考様式第1-36号)とその疎明資料を出し、機構の確認を受ける必要があります(運用要領第4章)。優良と認められると認定通知書で通知され、通知を受けた日の属する年度の翌年度の12月31日まで優良として扱われます。

TRANSFER COSTS05転籍の受入れ側・送り出し側になったときのルール

育成就労では本人の意向による転籍が一定の要件で認められます。転籍は同一の業務区分の中に限られ、転籍する本人側の要件(転籍制限期間の経過、技能と日本語の試験合格)は転籍の解説記事で扱いました。ここでは企業側の要件を見ます。

  • 転籍先は優良な育成就労実施者であること。運用要領第4章では、優良かどうかを配点方式で判断するとしており、たとえば受入れ実績がない又は初回受入れから1年未満の場合は総得点56点の7割(40点)以上が必要です。転籍先は、新たな計画の認定を申請する時点と育成就労を開始する時点のいずれでも優良である必要があります。
  • 本人意向の転籍者の割合は3分の1以内。今回の転籍者を分子にも分母にも入れて、転籍後に在籍する育成就労外国人全体に占める本人意向転籍者の割合を計算します。
  • 大都市圏の企業が地方から受け入れる場合は6分の1以内。ただし転籍者を含めて育成就労外国人が6名未満の小規模な企業は、3分の1の条件を満たせば1名まで受け入れられます。
  • 民間の職業紹介事業者等を使わないこと。マッチングに関われるのは監理支援機関、機構、ハローワーク、地方運輸局です。民間の職業紹介や特定募集情報等提供を受けた場合、過去1年以内に主として育成就労外国人向けの特定募集情報等提供を依頼した場合、転籍してくる本人が雇用契約の締結に関して特定募集情報等提供を受けていた場合は、その転籍の計画認定を受けられません。
  • 現に受け入れている育成就労外国人が転籍者だけでないこと、人数枠を超えないことも必要です。

転籍先は、転籍元が受入れに使った初期費用の一部を補填すると誓約しなければなりません。補填額は、主務大臣が告示で定める額に、転籍元での育成就労の期間に応じた按分率を掛けた額(1,000円未満切り捨て)です。運用要領第4章に示された1回目の転籍の按分率は次のとおりです。

1年以上1年6か月未満6分の5
1年6か月以上2年未満3分の2
2年以上2年6か月未満2分の1
2年6か月以上4分の1

2回目の転籍では、1回目に補填した金額にさらに別の按分率(5分の3、10分の3、8分の3)を掛けます。誓約した金額を払わなければ虚偽申請として計画認定の取消しの対象になり得ること、転籍先は新しい計画の認定後6か月以内に支払いの証明書類を機構へ出すことも運用要領に書かれています。転籍元の側は、受入れに要した費用の領収書等を保管しておく必要があると明記されています。なお、基準となる告示の額について、育成就労制度Q&A Q55は「この告示は今後制定する予定です」としています。

CHECKLIST06いまから順に確認すること

  • 自社の分野が育成就労の対象か:概要資料(令和8年7月改訂)では、特定技能19分野のうち育成就労の設定がないのは自動車運送業と航空の2分野です。技能実習の職種が育成就労でどの分野・業務区分に当たるかは、運用要領の別紙7で確認できます。また、育成就労制度Q&A Q30では、技能実習2号移行対象職種のうちクリーニング職種(一般家庭用クリーニング作業)、空港グランドハンドリング職種、ボイラーメンテナンス職種(ボイラーメンテナンス作業)は育成就労産業分野(業務区分)の対象としていないとされています。
  • 監理団体の施行日前申請の状況:監理型で受け入れるなら、監理支援機関の許可を施行日前申請しているか、受理票の写しをもらえるかを確認します。
  • 分野別協議会の加入手続:加入手続が始まっていない分野もあります。所管省庁の窓口と公表状況を確認します。
  • 人数枠の試算:常勤職員数(育成就労外国人・技能実習生を除く)と、施行後も残る技能実習1号・2号の人数から、受け入れられる人数を数えます。
  • 3つの役職と養成講習:育成就労責任者・指導員・生活相談員を誰にするか、過去3年以内の講習修了者がいるかを確認します。
  • 開始予定日から逆算した申請時期:施行日前申請は、原則として開始予定日の7か月前から5か月前までです。施行後の申請は、運用要領に「申請以後6か月以内に育成就労を開始するものに限られており」とあるため、運用要領と機構の案内で時期を確認します。推薦状が必要な国からの受入れなら、その取得期間も見込みます。
  • 費用の記録:転籍で人が出ていった場合の補填に備え、受入れの初期費用の領収書を保管します。
Q. 育成就労外国人はいつから受け入れられますか?
A. 実際の受入れは入管法等改正法の施行日である令和9年4月1日からです(育成就労制度Q&A Q7)。育成就労計画の認定の施行日前申請は令和8年9月1日から機構で受け付けており、審査結果は令和9年4月1日以降に順次通知されます。
Q. 施行日前申請はいつ出せばよいですか?
A. 施行日前申請は、原則として育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間です。たとえば令和9年6月1日に開始するなら、令和8年11月1日から令和9年1月1日の間に申請します。施行後の申請は、運用要領に「申請以後6か月以内に育成就労を開始するもの」に限られるとあるので、運用要領と機構の案内で確認してください。
Q. 今いる技能実習生は受入れ人数枠に数えますか?
A. 施行後も技能実習を続ける1号・2号の技能実習生は、育成就労外国人の受入れ人数枠を計算するときに育成就労外国人として数えます(概略図9ページ、Q&A Q41)。常勤職員数のほうには、育成就労外国人と技能実習生は含めません。
Q. 育成就労外国人が他社へ転籍したら、かけた費用は戻りますか?
A. 本人意向の転籍では、転籍先が転籍元の初期費用の一部を補填します。金額は告示で定める額に在籍期間に応じた按分率(1年以上1年6か月未満なら6分の5、2年6か月以上なら4分の1など)を掛けて計算します。基準となる告示の額について、育成就労制度Q&A Q55は「この告示は今後制定する予定です」としています。やむを得ない事情による転籍で転籍元に初期費用がかかっていない場合などは補填は不要です。
Q. 人材紹介会社に転籍者を紹介してもらえますか?
A. 本人意向の転籍では、民間の職業紹介事業者等の紹介や特定募集情報等提供を受けた場合や、転籍してくる本人が雇用契約の締結に関して特定募集情報等提供を受けていた場合は、その転籍の計画認定を受けられません。マッチングに関われるのは監理支援機関、機構、ハローワーク、地方運輸局とされています。

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確認状況

最終確認日

2026/10/14

執筆

編集部

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